『ホテル・ルワンダを日本でも公開してほしい』とインターネットで嘆願書に署名を集め、そして公開が実現したこの映画。私の地元ではシネコン1館だけでの上映、しかも3週間限定公開という扱いでしたが、観てきました。ずっと気になってたから。
ホテル・ルワンダ1994年、ルワンダの首都キガリ。多数派のフツ族と少数派のツチ族の内戦はようやく終息したものの街は依然不穏な空気に包まれていた。ベルギー系の高級ホテル“ミル・コリン”で働く有能な支配人ポール(Don Cheadle)は、ある晩帰宅すると暗闇に妻と子どもが身を潜めていた。フツ族大統領が何者かに殺され、これを契機にフツ族の人々がツチ族の市民を襲撃し始めたのだ。ポール自身はフツ族だったが、妻がツチ族だったことから、ひとまずミル・コリンに避難することに。外国資本のミル・コリンはフツ族の民兵たちもうかつには手を出せなかった。そのため、命からがら逃げ延びてきた人々が続々と集まってくるのだが…。
1994年、私は高校生でした。当時、地元の国際交流会の関係でタンザニア出身の女性と知り合い、彼女が帰国した後も何度かsnail mailのやりとりをしてました。それでなんとなくアフリカの情勢が気になっていたのですが、ルワンダという国の名前は覚えてなかったけれど「タンザニアに近い国で大変なことが起こってる」程度の記憶はあります。
その当時、実際に起こった出来事の映画化。この映画に出演したエキストラは虐殺の現場に居合わせた人々でもあり、PTSDで苦しんでいるそうです。PTSDはね、もっと慎重に扱わないといけないと思うよ。
購入したパンフによると、一つの国の中でフツとツチに分かれたのは欧州の介入が関係しているのだとか。私には、同じ国に住んでいる人々がわけのわからない基準で分断されて しかも一方がもう一方をいわれなき理由でコケにしたり虐殺したりする理由がわからない。あなた、それって日本で言えば「お前は関東人だろう?醤油の味が違うから嫌いだ!なんだ、あのうどんのスープの濃さは…。許せない!」「あんた、関西人でしょ?何よ、その笑えない漫才どうにかならないの?」とか言ってるようなもんですよ(多分)。だからって、醤油の濃さや笑いのセンスの違いを理由に日本人同士で殺しあいますか?殺さないでしょう?
お互いがお互いを認めて尊重すればいいだけの話なんですよ…と さらっと言ったところで、文化の違いと民族紛争はやっぱりレベルが違う問題だとも思う。自分が何人でどこの出身なのかってけっこう重要な帰属意識につながってるからね(なので、他都道府県で 同じ都道府県出身者に会うと急に親近感を覚える)。隣人を認めて尊重することができてないからいつまで経っても あんな感じなんでしょうけどね、ブッシュさんは(怒)。
この映画の主人公ポールは、はじめは家族を守りたいだけのおっさんだったし、ホテルの品格にこだわるおっさんでした。でも、事態が悪化するにつれ、彼の中で何かが変わっていく。守るべきはホテルではなくルワンダの品格であり、また、いわれなき虐殺の被害者達だと気付いていく。当時の彼自身は「直面した事態に対処しただけ」なのかもしれないけれど、そういう緊迫した事態でこそ人間は真価を発揮するのではないだろうか。
…なーんて真面目なことを書いてしまいました。
真面目なことと言えば、平和維持軍の『内政不干渉』について書いておかねば。Star Trekでも『内政には干渉しない』というPrime Directiveが存在し、その存在のせいではがゆい思いをするエピソードもあったりします。
映画に登場する平和維持軍の大佐さん、現場ではがゆい思いをしています。目の前で人々が苦しんでるのを見てるのに、「国連軍は規模を縮小します」「国連軍は撤退します」って去っていかなきゃならない。
内政不干渉は それなりの理由があって設けられた規則でしょうが、現場の人間からすると「事件は会議室で起こってるんじゃない!(頭でっかちの上層部だけで決めるな!)」とでも言いたくなる気持ちもわかります。それに何より頭をガツンと殴られた気がしたのは、TV局のクルーのエピソード。虐殺の現場をビデオに収め、ニュースで流す。
「この映像がニュースで流れても、怖いと思うだけで彼らはディナーを続けるだろう。助けには来ない」所詮は対岸の火事。自分に火の粉はふりかからない、と思っている全世界の皆さんを痛烈に皮肉ったセリフでした。かなりガツンときました。ガツン・ガツンが何度も襲ってきた映画でした。
今でもルワンダは復興の途中にあり、100日間の出来事がいかに大きな爪痕を残したがうかがい知れます。難民キャンプに大勢いた孤児を見て、やはり暴力では何も解決しないし 何も残らないという思いを強くしました。
『ホテル・ルワンダ』の公開を切に願って署名活動を実施した皆さんの努力に感謝します。素敵な映画に出逢うことができました。
以下、私的記録。
私が散々お世話になった先生が、母校(中学校)に再赴任するとか(一部情報では「校長」と言われてますが、「副校長」という情報もありますよ。どちらが正しいのか知りませんが、あの学校の校長は大学の学長が兼任するから「副校長」が正しいのではないのかね?4月10日以降に連絡を取る予定なので、確認しますわ。つったら「副校長って何?」と突っ込まれてしまった。そうだよね、公立の学校に副校長なんかいないよね)。いや〜ん、保健室のおばちゃんも来年度が最後の1年だし、遊びに行かねば☆
なんでかね、母校を懐かしいと感じる年齢なのかな?なんだかんだ言って、小中学校の同級生はみんな大事です。
私的記録終了
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