これはねー、見て良かった!って思った。
これも職業病的にセレクト&役所広司さん好きだー!でセレクト。
原作は佐木隆三さんの「身分帳」。
犯罪者(受刑者)さんの履歴が書いてあるものなんですって。
人生の大半を裏社会と刑務所で過ごした男の再出発の日々を描く。殺人を犯し13年の刑期を終えた三上は、目まぐるしく変化する社会からすっかり取り残され、身元引受人の弁護士・庄司らの助けを借りながら自立を目指していた。そんなある日、生き別れた母を探す三上に、若手テレビディレクターの津乃田とやり手のプロデューサーの吉澤が近づいてくる。彼らは、社会に適応しようとあがきながら、生き別れた母親を捜す三上の姿を感動ドキュメンタリーに仕立て上げようとしていたが……。
前科10犯、塀のあちら側には6回ほどお勤めにいかれ、刑期満了で釈放された男性が主人公。
彼は幼少期に母に捨てられ、児童養護施設で育った過去があります。施設を飛び出て、ヤクザさんにひろわれ、任侠の世界であれこれあったみたいです。
今回は、釈放後に母親探しをなさるんです。
お母さんを探して何を聞きたかったのかな。「なぜ産んだの?」「なぜ捨てたの?」…もっと別のことかな。
児童福祉施設で働いてた頃、ちょっと処遇が難しい子がいて、スーパーバイズで「どんなに周囲が親の情報を隠しても、この子は自分の意思で親探しをする日が来ます。自分のルーツがどこにあるのかを確認することは、とても大切なことだからです」と言われたことがありました。
母親探しとご自身の生活の安定を図るための就労、それを支える支援者さん達との交流をとおして、お話が進んでいきます。
途中、福岡県民が喜びそうな福岡空港(しかも飛行機は北九州の会社・スターフライヤー)、西鉄バスなんかが出てきて、萌え萌えしました。
そうそう、お仕事探しがうまくいかない時期に、やっぱり昔の仲間のところに行っちゃうんです。居場所がなくて肩身が狭かったのかな。ヤクザさんの世界は居心地がいいのかな。でも、あちらの世界には染まらず、カタギの世界で頑張る主人公さん。えらいぞ!
最後はちゃんと就職できて、支援者さん達からもお祝いしてもらえて、超ハッピー!
と思いきや、就職先で偏見に満ちた言葉を同僚達から言われたり、それでも受け流したり…
そんな世界って「すばらしい」のかな?
ラストはもっと悲しい出来事で締めくくられていたけれど
再犯防止、生活保護、地域の受け皿…
いろんなことを少し立ち止まって考えるいい機会になる。そんな映画でした。
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