2013年02月05日

つなぐということ

児童分野だったり高齢者分野だったりという違いはあるけれど、福祉のお仕事に携わって10年以上経ちました。
私は大学で心理学を学びました。卒業後、子どもの心理支援をしたくて情短という当時はレアな施設に就職して、「心理支援ってなんじゃ?」と考え続けた結果、もっとジェネラルなケースワークができる人間にならなきゃ心理支援だけやってても意味がないんじゃないかと思うようになり、社会福祉士の資格を取りました。
この資格、国家資格なのに超マイナーなんだってことに数年前に気付きました。
「社会福祉士って何?ヘルパーさんとかケアマネさんとは違うとね?」とよく言われます。
ケアマネの資格も持っていますが、ケアマネは介護保険の点数管理をする保険屋さんみたいなものです。社会福祉士は介護保険以外の福祉分野の知識や実践も必要とされます。ようするに、活動の幅が違うわけです。
ただ、ハローワークなどに行って求人票を眺めていても、「ケアマネ募集」の記事はたくさんありますが、社会福祉士募集の記事はほとんどりません。なぜって、ケアマネは給付管理費というのがあって介護保険報酬に結びつくから収入源も確保できるけど、社会福祉士の給料ってどこから出すの?って話になるからです。

それはさておき。
最近、諸事情でケースの引継ぎをしないといけないことが多くなり、次の担当者さんにどの情報を伝えたらいいのか、どう伝えたら効率的なのかを考えるようになりました。例えばAさんのナマの情報だとしても、私というフィルターを通してまとめた情報だし、私はあまり重要ではないと思った情報でも次のワーカーさんがどう受け取るかはわからないし…とか、いろいろ考えてしまいます。他人の履歴書を私が作成しているようなものだから、よけに迷います。
以前、施設勤務をしているときは行政から情報を受け取る立場でした。「この子の最終目標は何だろう?」という視点でいただいた情報を何度も何度も読み返すのですが、行政の方は施設での生活が何を意図して営まれているかを把握されていないこともあって(把握しようにも、県の職員は3年くらいで異動していくのでよくわからないまま終わっていく感じ。仕方ないのかもしれないけどね)、「んー。ケースの概要と結論(施設入所は適当である)が結びついてないなー」と思うこともしばしば。

先日の研修で、アセスメントって多角的にケースを捉えて分析するってことですよ〜と講師がさらっと言ってました。別の国家資格の研修の時には「アセスメントって、何でもいいから感想を書いてみて!」と講師が言いました・・・(汗)。
感想述べるだけならプロの視点なんかいらんわ!!と思いっきり言ってやりたくなりました。
話がそれたけど。
多角的に情報を分析するためには、自分自身もいろんな情報を持っておかないといけないし、何よりも、柔軟に考えられるようにならないといけないなと思っています。
以前勤務していた児童福祉施設には心理士もいたし指導員もいました。みんなで情報を持ち寄って一人の子の人物像を考えて、みんな同じ対応ができるようにケース会議をしていました。
高齢者福祉の分野にも、心理士さんがいたらいいのになと思うことがあります。認知症だから何考えてるかわかんないとかいうことではなく、その方がこの世界をどう見ているのかを少しでもわかるために、心理検査して分析してくれる人がいたらいのにって思うのです。
残念なことだけど、高齢者福祉の世界はとっても閉鎖的です。私にとってはとても息苦しい。
その人が家ではこんな様子だけど、病院ではこんな様子だし、こんな場面ではこんな表情を見せることもあるよ、という話をしても、「うちの施設ではいっつもこうだから、そんなよその情報なんかいりません」という反応なのです。
こんな時、昔の同僚の心理士さんがいたら、「どうして場面ごとに行動が変わるのかというと…」とデータを元に分析した情報を交えながら解説をしてくれるんじゃなかろうか・・・。
私は社会福祉士でもあり、ケアマネでもあり、心理士の端くれでもあるので、「この方のこの行動にはこんな意味があるのでは?」といったことも含めて次の方に引き継いでいきたいし、その方を取り巻く関係機関もうまく相互理解を深めてもらえるように、よい“つなぎ”ができるような働きができればと常々考えています。
人と人、人と資源をつなぐ仕事ってけっこう難しい。けど、やりがいがあります。
posted by Deanna at 10:25| Comment(2) | TrackBack(0) | Social Work and Psychology | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私は小さなグループホームに勤めている介護福祉士です。
ご入所者様で精神症状が大変強く表れていらしゃる方がおり悩んでおります。
ケアマネの試験に受かりこれから講習が始まります。しかし、あなたが考えていらしゃるように、ケアマネは点数を数える業務をサクサクとこなしていく事なのでしょう。
心のケアをと勇むとほかのスタッフとの間に寒い風が吹きます。自分自身への心のメンテナンスも必要になります。
誰かに話して心を託したくなります。
悩まずにできる仕事ではないと言う事がささやかな矜持です。
あなたが考えながら、悩みながら仕事をされていることに尊敬を覚えます。勉強をしながらがんばりましょう。
Posted by obasann at 2013年02月06日 17:16
> obasannさん
コメントありがとうございます。
ケアマネ試験合格おめでとうございます。

心のケアはとても大事なものだと私自身は思っています。だけど、それは介護保険のプランや点数には表れないし評価もされない。でも、結局のところ、利用者さんが望んでいるのは「自分の居場所があるんだ」「身体が弱くなっても受け入れてくれる人がいるんだ」っていう安心感=心のケアなんじゃないかなと思うのです。
私は、うちの事業所のスタッフにはお世話以上の『目に見えない気持ちのつながり』を大切にしてほしいと思っているので、そのように教育しています。
初めから全部を理解してくれるスタッフはいないけれど、悩みを共有しながら、サービスをいい方向に持っていく方法を考えていく中で、みんなが“目に見えないものが実は大事なんだ”ってことに気付いていってくれたらいいなーと。

できることからコツコツとやっていきたいと思います。

コメントいただけて嬉しかったです。ありがとうございました。
Posted by Deanna at 2013年02月07日 15:39
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