1879年 スイス生まれ。音楽家である両親の長男として生まれ、4才で祖母から絵を習い始め、7才でバイオリンを習い始める。21才、ミュンヘン美術学校入学。21世紀前半のドイツで活躍。
私は、クレーのことをよく知りません。彼の描く『天使』はステレオタイプな天使ではなく、泣いていたり怒っていたり、忘れっぽかったり醜かったり、悩んでいたり用心深かったり、どこか『人間』的なのです。そんな人間的な天使に憧れ、本を探していたら、クレーの絵と谷川俊太郎さんの詩のコラボレーションという不思議な本を見つけました。
忘れっぽい天使、1939年の作品
『クレーの天使』だけでなく、『クレーの絵本』という本も出版されています。クレーが天使を描いたのは、晩年 彼が皮膚硬化症という難病と闘っていた時で、『クレーの絵本』にはまだわりと若い頃のクレーの作品が収められています。絵だけでも何時間も眺めてしまうのですが、詩も何度も読み返してしまう上にきちんと解釈できてないので、まだ読破したぞ!という気分にはなれません。
たくさんの詩の中で 私が一番好きだと感じた詩を載せておきたいと思います。
黒い王様
おなかをすかせたこどもは
おなかがすいているのでかなしかった
おなかがいっぱいのおうさまは
おなかがいっぱいなのでかなしかった
こどもはかぜのおとをきいた
おうさまはおんがくをきいた
ふたりともめになみだをうかべて
おなじひとつのほしのうえで
どうしてこんな言葉の選び方ができるんだろうか。不思議です。
よろしかったら、こちらもクリックしてやってください。→ 人気blogランキング
クレーが難病に冒されていたとは,知らなかったのですが,天使の絵はとても魅力的ですね!
「黒い王様」は,どこかで読んだことがありますが,深くて透きとおるような気分になる詩だなぁ…としみじみと思いました。
ご無沙汰しております。
ご訪問&コメントありがとうございます。
私も、難病のことは全く知りませんでした。死が近いからこそ表現できるもの…なのでしょうか。天使の絵は、どれをみても人間の未分化な感情を表現しているように感じました。
谷川俊太郎さんの詩も、いつ読んでも「いいなぁ」とホッとします♪
高校の時、谷川俊太郎さんの朗読会に行って
大きなあったかい手で握手してもらったのが忘れられません。抽象画が好きになるきっかけになったのが当時出会った絵本です。
優しい気持ちになれるっていいですね☆
コメントありがとうございます。
谷川俊太郎さんの朗読会、5年くらい前に開催されてましたね!その時に朗読会に行った同僚が、谷川さんの直筆色紙をもらってきてました。今も職場に飾ってあります。
私は、美術のむずかしいことは全くわからないのですが、画集よりもとっつきやすい気がして 2冊も本を購入してしまいました。眺めているといい気分転換になります。
クレーの絵本の谷川さんの詩に出会ったのが男声合唱曲だったので、黒い王様もつい曲が頭の中に流れます。なかなかCDにならなかったのですが、近年やっとCD化されて注文して手に入れたくらいのお気に入りの組曲です。(楽譜も買ってあります)
曲で出会ってしまったので、純粋に「詩」として鑑賞できてないような気もしますが、四半世紀すぎても好きなんです。
突然のコメントですみません。
コメントありがとうございます☆
コナンだのクレーだのって,ジャンル関係なしに節操無く書きまくっているブログですみません^^;;;
谷川さん作詞の合唱曲といえば,私は中3の時に「春に」という混声合唱の曲に出会いました。谷川さんの詩を音に乗せるとさらに素敵になりますよね。