2006年03月26日

Memento(2000,U.S.)

映画について語る前に。
ここで『記憶』について勉強しましょう(遠い過去に学んだ認知心理学を思い出しながら書いています)。
記憶は、おおまかに分類すると「長期記憶」「短期記憶」に分けられると言われています。「短期記憶」は文字どおり記憶されている時間が短期なわけで、約20秒間でその記憶は忘却するとか。忘却を防ぐために私達は「リハーサル(何度も書いたり声に出して読んだりすること)」を行い、短期間しか保持できなかった記憶を長期間保持できる貯蔵庫に移しかえるのです。
 日常生活の中で、例えばずっと昔に聴いていた音楽を久しぶりに聴いたとします。すると、音楽と一緒に『ずっと昔にその音楽を聴いていたころの記憶』も蘇ってきます。記憶の貯蔵庫の中を検索して、ヒットした情報を再生しているわけですね。
 ざっと説明するとこんな感じ。私の専門ではないので、ここらで終了。

数日前、同僚と一緒に食事しました。彼は『私の頭の中の消しゴム』を観て、「あんな男性になりたい」と思い 肉体美に憧れてジム通いを始めたというちょっとキテレツなキャラクターの持ち主です。彼は『精神分析』について語らせたら何時間でも喋り続けるという勉強熱心な側面も持ち合わせています。
食事しながら『記憶』に関する話になりました(食事中にする話か?)。きっかけは『私の頭の中の消しゴム』なんですけど。彼が言うには「最近の映画は、否応無しに記憶を消してしまうタイプのモノが多い」と。記憶を消されてしまったら、太刀打ちできないもんね。泣くしかないもんね。
 そんな会話が私の心のスミに残っていたのでしょうね(=記憶されてたんでしょうね)。DVDを選びながら、無意識に『記憶』に関する映画を探していたようです。
 前置きが長くなりました^^;


メメント
ロサンジェルスで保険の調査員をしていたレナード(Guy Pearce)。ある日、何者かが家に侵入し、妻がレイプされたうえ殺害されてしまう。その光景を目撃してしまったレナードはショックで前向性健忘(記憶障害の一種で発症以前の記憶はあるものの、それ以降は数分前の出来事さえ忘れてしまう症状)となってしまう。彼は記憶を消さないためポラロイドにメモを書き、体にタトゥーを刻みながら犯人の手掛かりを追っていく……。

 これね、ある時点から話が過去に戻っていくの。こちらの記憶力も試されている1本です。最後まで観たらすっきりするのか、犯人は捕まるのか?とドキドキしながら観てましたが、真相は薮の中。なんと言うか、編集勝ちって感じですかね。
 それにしてもGuy PearceってTime Machineを観た時に「うわ〜、サルだー」ってしか思わなかったんですけど。メメントのGuy Pearceはイケてますよ。
 Guy Pearce曰く「記憶は曖昧。記録は正確」。だから彼は写真を撮り、メモをする。無くしてはいけない記録は身体にタトゥーで刻み込む。
 さて。ここで少し考えてみましょう。
 彼の『記録』は本当に正確なのでしょうか?
困ったことに、『記録』にもその人なりの判断(=主観)が反映されるわけですね。日記つけてて、「今日は○○があった」という客観的事実だけを書いてる人もいるかもしれませんが、ほとんどの人はその出来事に起因する自分の感情を何かしら付け加えて書いているものなんです。
 だから、この映画の主人公レナードの場合も、意識してようがなかろうが、彼の記録(メモ)にはその時の彼の感情が影響しています。そこが編集の面白さの次のミソかな。
 真相は闇の中だけど、彼は彼自身や周りの人間に踊らされているだけの人間なのかもしれない。やたらと「だって僕ちゃん 記憶障害だし」と言い訳を言うのだけは上手(笑)。

Memento = A Thing to Remember


ちょっと異色の『記憶モノMovie』でした☆ → 人気blogランキング

*ふつーに時間軸を追って観ていくと、なんてことないストーリーなんですよ。
posted by Deanna at 01:36| Comment(0) | TrackBack(0) | My Favourite Movies(H〜N) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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