2010年05月11日

もう3年経つのね…

親が育てられない子供を匿名で受け入れる慈恵病院(熊本市)の「赤ちゃんポスト」(こうのとりのゆりかご)が10日、設置から3年を迎えた。蓮田太二理事長は記者会見で、ポストに子供を入れる行為について「子にとっては親が手放したことになり、虐待といえる」と述べた。ポストは設置当初、親のポスト利用を「虐待ではない」との認識を示してきたが、その病院側が自ら否定的な考えを示した形で、今後論議を呼びそうだ。

 ポストに入れられた子供は、親が分かっても親元に戻れず、児童養護施設を転々とせざるを得ないのが実情だ。病院側は当初、ポストに入れられた子供について、戸籍上実子として育つことができる「特別養子縁組」の利用を想定していたが、これまでポストに入れられた51人のうち、特別養子縁組によって一般の家庭で育っている子供はわずか1人に過ぎない。

 蓮田理事長は、預けられた子供を一時保護する児童相談所について「育児放棄した親に無理に返すのが親子の幸せになるのか」と指摘。病院がポスト設置の参考にしたドイツでは全員が養子縁組されている点に触れ、こうした環境が整わない中でのポスト利用に「虐待にあたる」との認識を示した。さらに蓮田理事長は「ゆりかご(ポスト)の表示も、簡単に預ける気にならないように変更したい」と述べた。


この「赤ちゃんポスト」…じゃなくて,『こうのとりのゆりかご』ができた時,私は熊本の児童福祉施設で働いてました。「産んだけどポストに入れる」ってのは,なかなか衝撃的な出来事でした。
日本では特別養子縁組なんて制度はまだまだ定着してない。蓮田理事長の理想が現実よりもはるか先にいってしまってるだけで,児童福祉界ではけっこう「養子の制度を充実させなくては!」という声はあがってたりもする。・・・今はどうなってるのか知らんけどね。

『こうのとりのゆりかご』に乳児じゃなくて幼児を入れてみたり,いたずらで犬猫の類を入れる輩もいたそうだけど,病院側の理念を,理事長が何を思ってこのゆりかごを設置したのかを,もっと考えてほしい。
病院の理想・理念とは違う方向にいってしまってる。
命を救おうとしているのに。
預けられた乳児が,乳児院→児童養護施設と措置されていくのは自然の流れというか,今の日本の現状ではそうせざるを得ないと思うのだけど,『愛着(attachment)』の概念を生んだボウルビィが生まれた国イギリスでは,「あなた,親子の愛着こそが何よりも大切なのよ」と言い,大舎制の施設ではなく,養子縁組をするケースの方が多い。
いや,別にね,乳児院とか児童養護施設で育った子が愛着障害だって言ってるわけじゃないの。
少子化って言ってるわりに,保育園の待機児童は増える一方だし,児童虐待のニュースを聞かない日はない。
『生命』を何だと思ってるのか。

性犯罪について学んでいた時に,子ども向けの性教育についても学んだことがある。
「自分が命を生み出す立場になる前(第二次性徴が始まる前)に,赤ちゃんはどうやって生まれてくるのかを知っておいた方がいい。第二次性徴以前であれば,客観的に受け止められるから」
と講師の方が言われていたのが 今でも印象的。
今の子ども達は…というか ゆとり教育世代の若者は,与えられる情報だけは多く,それを上手に処理しきれないまま「成人」と呼ばれる年齢に達する。性に関する情報も人の7倍くらい持ってるけれども,『生命』についての理解に乏しい。客観的な判断もできない。

私達はよく「子どもが子どもを産むとこうなるのね〜」とケース記録を読みながら言っていた。
あの世界から離れて1年半。
やっぱり異常な世界だとつくづく思う。
体中に生傷を負って,自分自身の崩壊と闘いながら過ごした日々。


あの世界の住人にならざるを得ない子ども達と,その子ども達を支援する職員の方々に神のご加護がありますように。


posted by Deanna at 16:06| Comment(3) | TrackBack(0) | Deanna's Log | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
俺の周りにも特別養子縁組した人達がいる。

成熟した社会に移行する中で、生まれてきた子供を社会全体として救う、育てるという制度や環境が整えられる事は避けて通れないと思う。

子供を産む事は出来ても育てる事ができない親ならば、生まれてきた子供は社会が受け止めなくてはいけないんだと思う。

俺も自分の子育てが終わったら里親になって一人でもいいから、親と一緒にいれない子供を育てさせてもらいたいって思ってる。
Posted by そーいち at 2010年05月12日 00:52
ちょっと前に新聞に「わが子を愛せないのですが・・・」という投稿があって、専門家の回答が「子どもへの愛情は、初めからあるものではなく、子どもからの様々な働きかけ(微笑みとか、必要とされたりとか)によって、生まれるものです。だから、今愛せなくても大丈ぶい!」ってあって。
同感!そして、感動!

ホント、子ども産んで欲しいのか、働いて欲しいのか、なんか、よく分からんよね〜今の社会は。

でも、子育てには、益子でも余るくらいうっとうしいほどの支援が必要だと思いますよ。

ああ。また斜め前の子どもが怒られよる。(今日はお父さんに(涙))
Posted by ゆりこ at 2010年05月12日 17:29
> そーいちさん
社会で考えていかなきゃいけないことを,一病院がやってるんだから…限界はあると思う。
なんかさー。普天間基地とかも問題なんだろうけど,こういうことももっと考えてほしいよね,鳩ぽっぽさん。


> ゆりちゃん
そりゃあなた,お宅のお子ちゃまは個性的ですもの〜。手がかかるもの〜。
あなたの母君は「孫には責任はない!」って言い張ってますよ。もうダメやん…
Posted by Deanna at 2010年05月19日 16:59
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