
The Giving Tree/おおきな木
Shel Shilverstein(著)
ほんだきいちろう(和訳)
原著では‘The Giving Tree’、和訳では「おおきな木」となっています。和訳した方のセンスだでしょうが「大きな」ではなく「おおきな」と平仮名表記にしているところに この『木』の『何』が『おおきい』のかを感じてほしいのだと私は思います。「与える木」ではなく「おおきな木」なのです。
和訳本は、日本人が何故か安心してしまう3、3、7のリズムで言葉を綴ってあり、読みやすくなっています。
ストーリーは 少年と木(原著を読めばわかりますが、「木」は女性なのです)の関係を中心に展開していきます。少年は成長するにつれ、様々なものを欲しがります。木は無条件に少年に自分が与えることができるものを何でも与え続け、少年が幸せであればそれでいいと思う。これって明らかにアガペーよね、アガペー。
少年は与えられ続けて何を感じたのか。
木は与え続けて本当に幸せだったのか。
giveって何なのか。無償ってどういうことなのか。母親像って…
そんなことを考えつつ、家族愛や親子間の愛情に思いを馳せてみたのでした。